認知症の診療

認知機能とは

認知症というと「得体が知れない病気」と感じる患者様やご家族は非常に多いですが、不安の理由で大きなものに、「認知機能とは何かがよくわからない」というものがあります。
認知症診療の第一歩はこの得体の知れない「認知機能」という脳の機能について理解していただくことから始まります。
実は理解自体は難しいことではないのですが、説明に時間がかかることもあり、残念ながら説明が省かれてしまうことも多々あります。

当院ではまず脳外科医という立場から認知機能についての解説を行い、そこで得られた理解に基づいてその後の診療を進めていきます。

 

 

認知症の診断

認知症を診断していく前段階として、認知機能をきたす認知症以外の疾患を除外することはとても大切です。
こうした疾患は手術や薬物による治療が可能である場合もあります、
認知機能の低下を認知症によるものと決めつけることはこうした疾患の治療機会を奪い、認知機能が回復する可能性を潰すことになってしまいますので、認知症という診断は実はかなり慎重にしなければなりません。

当院では問診はもちろん、CTや血液検査などにより認知症以外の認知機能低下を来す疾患を可能な限り除外します。
近隣病院との連携により頭部MRIで更に深く除外を行い、認知機能が回復する可能性を探ります。

 

 

認知症の治療

認知症に対する薬剤の発達に伴い、認知症の治療は薬物によるもののみであると考える方が増えてきています。
しかしながら、運動や作業、訓練や遊びといった生活の延長にあるような方法もまた、認知機能の改善や維持を試みる際には重要となってきます。
この場合、介護保険の申請や介護サービスの利用も含めて検討する必要がありますので、当院では主治医意見書の作成などを含めて全力でサポートしてまいります。

認知症というと人生の終わりの病気という印象が強いかも知れませんが、認知症となってもなお幸せな人生を送っている患者様はたくさんいらっしゃいます。
こうした患者様たちの診療に携わってきた経験から、ひとりひとりの状況に合わせた治療や介護の方針をともに考えるのが当院の認知症診療の方針です。

お困りの際はいつでもご相談ください。